型番:Smells Like Records - SLR 012-10
Sex Pistols, The Clashの熱狂が過ぎ去った後、一時はUKポストパンクがポップカルチャーの様相を一変させるかと思われた。そして、軽んじられることを拒んだ女性たち〜The Slits, Kleenex...そして最も長く活動を続けたThe Raincoatsの貢献は決して小さくなかった。彼女たちの短いキャリアにはRough Tradeからの数枚のLPも含まれていたが、10年の変わり目にはバンドは内部の混乱(内輪揉め?)に飲み込まれてしまった。The Raincoatsの大ファンの、半ば有名人でもあるKurt Cobain(Nirvana)が、あらゆるジャーナリストに彼女たちの物語を語り始めるずっと前のこと。間もなくSteve Shelleyがドラムスを担当する新体制が結成され、この新メンバーで制作された「Extended Play」は、1994年にDGCレーベルからリリースされた再結成アルバムの序章となった。不思議なことに、The Raincoatsの昔のレコードは当時よりも今の方が良く聞こえる。
1994年のNirvana Tourのオープニングアクトに招かれたことで、10年ぶりに再結成を果たす。オリジナルメンバーの Gina Birch(ベース/ボーカル)とAna da Silva(ギター/ボーカル)に加え、新メンバーとしてヴァイオリニストのAnne Wood、ゲストドラマーとしてSonic YouthのSteve Shelleyが参加した。しかしKurt Cobainの自殺によりツアーは頓挫。それでもバンドはアメリカツアーを遂行、無事成功を収めた。
1994年4月のJohn Peel sessionを収録した本作は、Steve Shelleyのレーベル、Smells Like RecordsからEPとして再発された。ノイズを帯びた前衛的大陸風「Don't Be Mean」(EPで初披露)は、バンドの過去をさらに滑らかに辿る。
A1. Don't Be Mean
A2. We Smile
B1. No One's Little Girl
B2. Shouting Out Loud