型番:Big Crown Records - BC183-LP
オーストラリアを代表するシネマティック・ソウル・バンド、Surprise Chef が新作アルバム"Superb"で帰還。彼らの創作手法に変化をもたらし、音楽に熱量を注ぎ込んだ作品だ。緻密な作曲・録音手法から脱却し、より自由で計画性を抑えたアプローチを採用。制作過程に軽やかさをもたらす意図が、見事に実を結んでいる。卓越した演奏技術は健在ながら、本作ではサウンドをよりエネルギッシュで楽しい領域へと押し上げている。
アルバムのオープニングを飾る"Sleep Dreams"は、まさにSurprise Chefらしい楽曲と言えるだろう。しかし、リードシングル"Bully Ball"が流れ始めると、彼らがこの作品でドアを蹴破りに来たのだと理解できる。荒々しいドラムがスピーカーを轟かせ、パーカッション、キーボード、ベース、ギターのチャンクが重なり、リズムをキープしながらファンクを炸裂させる。バンドは"Body Slam"のような楽曲でアレンジの限界を押し広げる。甘いソウル調で始まったかと思うと180度方向転換し、暗く不気味な雰囲気に。その核心には、ミキシングボードから二部屋離れた浴室にティンパニを押し込んで作り出した音がある。その実験精神は"Fare Evader"でも発揮され、首が折れそうなリズムトラックに、70年代SF映画のロボット効果音のようなシンセ音色を散りばめている。 “Consulate Case”や“Tag Dag”ではダンス向けにテンポを加速。前者はアフロ・ファンク、後者はジャズ・ファンクの影響を色濃く反映。そして“Websites”ではSurprise Chefのバラードが紡ぐ美しい世界へ深く誘い込み、“Dreamer’s Disease”では幻想的で美しいトラック制作の技量をさらに高めている。
新作アルバム"Superb"、新たなアプローチ、そして世界ツアー計画を携え、Surprise Chefがアンダーグラウンドで最も愛される存在から誰もが知る名前に躍進する瞬間を、我々はまさに目の当たりにしようとしている。そして我々は間違いなく、その瞬間を心待ちにしている。
A1. Sleep Dreams
A2. Bully Ball
A3. Body Slam
A4. Consulate Case
A5. Dangerous
A6. Websites
B1. Fare Evader
B2. Tag Dag
B3. Plumb Tuckered
B4. Dreamer's Disease
B5. Slippery Dip